「パイド・パイパー – 自由への越境」(ネビル・シュート)

大切な人を亡くしたときの気持ちの描写がすごく淡々としていてでも丁寧で、だからこそ逆に胸にぐっとくるのだなと思いました。そうよねえ、辛い記憶をほいほいと語ることはできないですよねえ。
ぎりぎりまで口にはしないで、ふっと避けられないタイミングで提示される事実。
そういうのが何度か出てきて、ああ、この人映画のシナリオとか書いたらすごそうだなーと思いました。胸に焼き付くようなシーンを観せてくれそうです。
あと、作者の人は小さい子供達のことをとても愛していて、でも同時に手に負えないーとか思ってそうだなあと思いました。うーむ。私だったらハリセンでしばく!と思ったシーンがあちこちにありましたもん。
ハワードさんはなんて大人なの!と思いました。さすが英国紳士!
この人、他の話も読んでみたくなりました。素敵す。

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