「舟を編む」
とにかくみんなが胸の中に熱い何かを持っている物語でした。すごいぐっときまくりでした。
馬締くんは普段ぼんやりしてまともに話もできないのに、譲れないところだけ一人称が「俺」になったり、香具矢さんの「女が板前なんて変かな」という弱音に「そんなことはないと思います」とはっきり言ったり、なんというかもう!なんていうかもう!な感じの人でした。
西岡さんも馬締くんと出会って、本来持っていたのであろう熱さを見せる人になっていく姿が眩しかったです。馬締くんの言葉に泣かされるシーンで私も西岡さんと同じタイミングで泣いてた。(早い。)
15年経ってもきっちり裏方で活躍してるのが本当かっこよかったです。
新人ちゃんがどんどんなじんでいく姿もよかったなあ。
香具矢さんもあんまり表立って描かれてはいなかったですけど、板前になる夢を現在進行形で叶えてて、馬締くんとはなんというか同志のような感じなのだなあとしみじみしました。素敵だ。
トラさん大きい。かわいい。トラジローはあんなちっこいのに胴が長くて、この子は大きくなる子だねーと思いました。
大家さんがいい人で和んだ。私もああいう風に歳を取りたい。
最後の年の夏以降、松本先生の具合が悪いのが見た目にも明らかで、早くしないと辞書の完成を先生に見せられないという焦りの気持ちがすんごい伝わってきてて、だから、お葬式から帰ってきてお蕎麦食べるところで馬締くんが涙を流すシーンに、こっちも涙が止まりませんでした。
なんというか、プロジェクトXみたいでした。
あと、パンフレットがすごかったです。豪華。紙のぬめり感が味わえるページとか、大渡海のポスターとか、盛り沢山。読み物のページも盛り沢山。本気ですねー。
ピースの又吉どこに出てたっけ?と思ったら、大渡海のデザイナーさんだったんですね。分からなかったなー。(ザ・節穴。)デザイナーの人はやっぱロン毛かーとか思ってました。
あ、本格的な辞書が欲しくなりました。辞書はぺらぺらとめくって本のように読むのが結構好きです。